6月8日 「土岐高山城跡」の県と土岐市の協定締結式が岐阜県庁で行われました。
岐阜県では、平成24年3月に策定した「第二期 岐阜県森林づくり基本計画」に基づき、特に人の暮らしが森林から離れ荒廃が進む里山林において、生物多様性の保全など環境への配慮と森林資源の活用による新たな里山再生手法のモデルを確立するために、県内で5か所の環境保全モデル林を整備する計画です。土岐高山城跡の森はその3番目のモデル林として採択されました。
環境保全モデル林のコンセプト
①歴史的観光資源を活かした森づくり
「土岐高山城跡の森」がある、土岐市の中央部は、鎌倉時代以前より美濃源氏(土岐氏)の発祥の地として栄え、戦国時代には織田信長と武田信玄・勝頼の勢力争いの中で、「高山城」を中心に、多くの合戦が繰り広げられました。
こうした歴史的な背景のもと、地域のシンボルとしての「高山城跡」や100体以上の石仏が安置されている「穴弘法」、山麓には「下街道高山宿」など、多くの歴史的資源を有しており、現在では、年間約3万人が訪れる観光エリアとして、地域に活力を生み出しています。
「土岐高山城跡の森」にある歴史的資源に基づく観光エリアとしての地域の“強み”を活用して、さらに観光客を呼び込むことができる森を育んでいくことが必要です。
②子どもたちを育む森づくり
この地方の里山に生える木々は、古くは陶磁器産業の燃料として活用され、人々は陶磁器焼成の燃料や、日常生活で使う薪を得るため、里山に入るなど、里山は産業活動や日常生活に密着していました。
子どもたちも、幼い頃から、身近な里山で遊ぶなかで、森の大切さや感謝の気持ち、ふるさとへの愛情などを育んできました。
しかしながら、産業や生活スタイルの変化に伴い、森との関わりが希薄になり、子供たちも、里山で遊ぶ機会が少なくなりました。
将来にわたり、「土岐高山城跡の森」を維持し、ふるさとを支える人材を育んでいくためには、子どもの頃から、森の中で遊び、自然を学び、親しむことができる里山としていくことが必要です。
平成28年4月 整備完成予定
岐阜県は平成28年4月までに土岐高山城跡周辺10.8ヘクタールを5,000万円の予算で整備し、土岐市に移管します。完成後は高山城高山宿史跡保存会、土岐里山の会、高山区自治会、土岐津町青少年育成会が管理します。
岐阜県庁にて行われた締結式 瀬上県林政部長(中央)と加藤靖也土岐市長(中央右)
「土岐高山城跡の森」整備計画図